Purple Fabric’s Diary

映画や本、その他諸々について自分の意見を書くブログ。日本人になりたい日本人。Filmarks ID:pierrotshio

映:少女ムシェット

監督:ロベール・ブレッソン

制作国:フランス

 

f:id:Purple_Fabric:20181201145739j:image

 

あらすじ

>>

病床の母親とろくに働かないアル中でDV体質の父親を持つ14歳のムシェットは、学校でも極貧であるという理由で無視され、友達のまったく居ない生活を送っていた。ある日の学校の帰り道、森へ迷い込み、密猟の男に出会う。その男はてんかんの発作と幻覚症状を抱えていた。密猟の男に犯され、母親は死に、父親に暴力を振るわれ、森番の妻に怒鳴られ、どこへ行っても誰にも味方もされず、不幸のどん底にいるムシェットには居場所がなかった。

>>

 

 

たった14歳の少女が「うんざりだわ。」と言えてしまうような世界。

変わらない表情に誰も気付かない。だが確かに彼女は泣いていた。酒浸りで暴力的な父と病気で寝たきりの母。唯一心を許した密猟者のアルセーヌさえ、彼女を傷付けることしか知らない。

涙だけが流れる中、初めて嗚咽を漏らした瞬間も彼女は孤独だった。

だから報われないラストシーンが妙にしっくりきてしまう。

この作品は、以前ここで紹介した『ダンサー・イン・ザ・ダーク』にも影響を与えたという。


俳優たちが素人というのも良い。

誇張した表現が無い限りなく無に近いリアルな表情で、残酷な人生の真理を訴えかけてくる。

モノクロの世界はもしかしたら、少女ムシェットが見ている世界そのものなのかもしれない。

 

参考動画↓

https://m.youtube.com/watch?v=j9HXcsE0gI8