Purple Fabric’s Diary

映画や本、その他諸々について自分の意見を書くブログ。日本人になりたい日本人。Filmarks ID:pierrotshio

映:名探偵コナン ③1位 瞳の中の暗殺者 1/2

映:名探偵コナン ①前口上

https://purple-fabric.hatenadiary.jp/entry/2018/12/19/102659

 

映:名探偵コナン ②順位と得点

https://purple-fabric.hatenadiary.jp/entry/2018/12/19/103043

 

 


1位「瞳の中の暗殺者」2000年 42点
・推理の面白さ、結末の意外性:5(犯人の伏線、ミスリード、蘭の記憶喪失、全体の一貫性)
・事件の迫力、壮大さ:3(トロピカルランドのアトラクション、Need not to know)
・事件以外のストーリー性:5(思い出の噴水、プロポーズの言葉)
・登場人物:1(妃英理)
・喜怒哀楽:5(記憶の喪失と復活)

 

 

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【特筆情報】

・少年探偵団…コナン・灰原・元太・光彦・歩美の5人からなる探偵団。全員、帝丹小学校の1年B組。

・妃英理…小五郎の妻で、蘭の母親。別居中。

・佐藤美和子…警視庁刑事部捜査第一課強行犯捜査三係の警部補。美人でアイドル的存在だが、本人は気付いていない。

・硝煙…火薬の発火によって生じる煙。

・硝煙反応…銃を発射した際に手や着衣などに付着した硝煙を検査するために、ジフェニルアミンで紫色に発色させるなどの化学反応。鑑識法の一つとして犯罪捜査などに用いる。

 

監督:こだま兼嗣

制作国:日本

 

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以下ネタバレ注意‼️

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非常に好きな作品である。

個人的な好みもあるが、評価が3倍になる「推理の面白さ」と「喜怒哀楽」が最高得点なのがこの作品の完成度の高さを表している。

 

 

オープニングは蘭と新一が遊園地へ遊びに行った時の回想シーンである。この帰りに新一は体が縮んでしまうのだが、今回はその前のデートの様子が描かれる。新一が蘭の頬にコーラの缶を触れさせ驚かすシーンや、ある時間になると水が出る噴水広場へ連れて行きカウントダウンをするシーン。この何気ない楽しい思い出たちが、ラストシーンに繋がる。無駄な描写など一つもないのである。

 

時間は現在に戻る。ある雨の日、奈良沢という警察官が何者かに拳銃で撃たれる。コナンは犯人を追いかけるが、取り逃がす。誰に撃たれたのかとコナンに尋ねられ、奈良沢は自分の左胸を掴んで何かを伝えようとするが、生き絶える。

コナンの証言から警察は、犯人は左利きだと断定する。また、左胸をつかんで死亡したことについては、胸にしまってあった警察手帳を示したものと解釈する。

その日の夜、今度は芝という警察官が射殺される。小五郎は一連の事件について話を聞こうと目暮警部に電話するが、「今は忙しい」と断られる。

 

コナン作品は子ども向けなので基本的に重苦しい空気は続かない。しかしこの映画の通奏低音はどちらかと言うと深刻で暗い。ここまでの流れもまさにそうなのである。

 

そんな中、白鳥警部の妹の結婚を祝う会が開催され、コナン一行は出席する。会場には、小田切敏郎警視長をはじめとする警察官、敏郎の息子の敏也、白鳥の主治医である心療科医師・風戸らの姿があった。小五郎とコナンは高木刑事から、2人目の被害者である芝も警察手帳を握っていたことを聞き出すが、すぐ白鳥に「Need not to know」(知る必要の無いこと)と言われ、詮索を拒否される。これは警察内の隠語であり、コナンは警察の上層部、あるいは警察組織全体が事件に関与しているのではないかと疑念を抱いた。

「Need not to know」この言葉が出てきた瞬間の小五郎とコナンの緊張した表情は観客の気持ちをも引き締める。

一方で蘭や親友の園子は、英理から小五郎のプロポーズの言葉を聞き出す。重苦しい警察陣と明るい女性陣の対比がバランス良く、面白い。さらにそのプロポーズの言葉というのも後々出てくる。もう一度言うが、無駄な描写など一つもないのである。

 

つづく…